ルーヴル美術館の銅版画展

ルーヴル美術館の銅版画展

 膨大なコレクションを持つルーヴル美術館。そのなかのグラフィック・アート部門には「カルコグラフィー」のコレクションがあります。カルコグラフィーとはルーヴル美術館の銅版画原版コレクション保管室およびその工房で印刷された版画のことを指します。
 ルーヴル美術館のカルコグラフィー室は、ルイ14世の治世を視覚的に示すために作られた版画の原版を含む「王の版画原版収集室」のコレクション、「王立絵画彫刻アカデミー」のコレクションなどが統合され1797年に誕生しました。その後コレクションは拡充し続け、20世紀に入ると現代作家による新作も加わりました。現在はサン=ドニの工房において、銅版画の原版および版画を印刷する職人たちの技術が保たれています。
 本展では、ルーヴル美術館カルコグラフィー室所蔵の原版から、日本での特別公開のため、当時の版を用いて刷られた銅版画約130点をご紹介いたします。

開催概要

開催期間

2022年4月29日(金)〜7月3日(日)
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は閉館30分前まで)
休館日:5月2日を除く毎週月曜日

観覧料
当日前売・団体割引券
一般900円700円800円
○団体 10名以上  ○前売 4月28日まで販売
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けた方および付き添いの方は無料

大学生以下 無料

前売券販売所(4月28日まで)
セブンチケット、MOOガイド(釧路)、コーチャンフォー釧路店、くしろ演劇みたい会、コーチャンフォー釧路文化ホール、釧路市生涯学習センター、釧路市民活動センター(わっと)

主催

主催 釧路市民文化展実行委員会、釧路市立美術館、北海道新聞釧路支社
後援 NHK釧路放送局、FMくしろ、(一財)釧路市民文化振興財団
協賛 アートギャラリー協力会
協力 RMN-GP(フランス国立美術館連合−グランパレ)、ルーヴル美術館カルコグラフィー室、
   amf(アジャンス・デ・ミュゼ・フランセ)
企画協力 ステップ・イースト
映像提供 DNPアートコミュニケーションズ(MMM)

関連事業

■学芸員によるギャラリートーク

当館の学芸員が展覧会について場内で解説を行います。前申し込みは不要です。ギャラリートークの日時に釧路市立美術館のロビーへお集まりください。ご参加は無料ですが、展覧会を観覧するため入館料が必要です。

日時
  • 4月29日(金) 担当学芸員:武束祥子
  • 5月14日(土) 担当学芸員:沼前広一郎
  • 5月28日(土) 担当学芸員:武束祥子
  • 6月25日(土) 担当学芸員:沼前広一郎
  • 各回午前11時〜11時30分
■銅板でレリーフを作ろう!
  • 日時 6月11日(土) 10時〜11時30分
  • 場所 まなぼっと幣舞地下工芸スタジオB
  • 対象 小学4年生以上 15名
  • 費用 500円(材料費として)
  • 講師 当美術館スタッフ
  • 申し込み 事前申し込み制です。申し込み期間は終了しました。
  • 【必要事項】参加者氏名、学校名、学年、参加希望人数、E-mailアドレス、電話番号

展示構成

本展でははルネサンスから現代までの美術の流れを概観できます。 
ルーヴル美術館の銅版画は、長きにわたるルーヴル美術館の歴史、栄華の象徴たるヴェルサイユ宮殿の様子、ルネサンスから現代までの絵画の記録してきました。 
ルーヴルが収集し蓄積してきた「知」と情報、また馴染み深い名画の数々をお伝えします。

 ルーヴル宮殿

ジャック・リゴー 《ルーヴル旧館正面の眺め》 

 13世紀初め、城塞として歴史の幕を開けたルーヴルは、時代を経るごとに改築を重ね、城館、宮殿、そして美術館として役割を担ってきました。第1章では、ルーヴルの建築そのものをテーマに作品をご紹介します。ルーヴル宮殿建設中の様子、宮殿の図面や、様々な場所から見たルーヴルの風景をお楽しみください。

Ⅱ ヴェルサイユ宮殿

イスラエル・シルヴェストル 《アルム広場の風景》

 太陽王ルイ14世の栄華の象徴であり、ヨーロッパの黄金時代の頂点として、贅の限りを尽くしたヴェルサイユ宮殿の建築は、1661年に3万人以上の作業員を動員して着工、竣工するまで半世紀もの期間を費やした一大事業でした。第2章では、バロック様式の宮殿、豪華な室内装飾など近世の各国宮殿の模範とされた輝かしいヴェルサイユにまつわる作品を紹介します。

 ルネサンス
レオナルド・ダ・ヴィンチ 《モナ・リザ》

 第3章では、イタリアで興った文化の革新運動、ルネサンス期の絵画にスポット当てます。 古代ギリシア・ローマの文化を理想とし、人間と自然に関する客観的な写実主義を目指す中で生まれたダ・ヴィンチやラファエロ、ボッティチェッリなどイタリアの画家を中に作品を紹介します。 

Ⅳ バロックーフランス・フランドル
ヨハネス・フェルメール《レースを編む女》

 第4章では、17世紀のヨーロッパ絵画を展示します。大航海、科学革命や市民階級の台頭といった社会情勢が目まぐるしく変化した社会背景の中、フェルメールやレンブラントといった名だたる画家たちが生まれた「黄金の世紀」と称される時代です。

Ⅴ ロココ
ニコラ・ランクレ《連作(四季ー夏)》

1710年代から1760年頃の美術はロココと呼ばれます。ルイ14世時代の壮大さを特徴とする美術への反動として起こったこの様式は優美さや軽快さを特徴とします。この時代の代表的な画家のひとりであるジャン=アントワーヌ・ヴァトーは《シテール島の巡礼》でアカデミーの会員となり、この絵画はフェット・ギャラント(雅宴画)という新たなジャンルを生み出しました。

Ⅵ 19世紀フランス絵画
ギュスターヴ・モロー《出現》

 19世紀フランス美術の様式の変遷を大まかにつかむとすれば、新古典主義、ロマン主義、写実主義、印象主義、ポスト印象主義、象徴主義となるでしょうか。もちろんこれらの様式は、新たなものが古いものにとって代わるような単純なものではありません。フランス革命や産業革命による政治、社会の変化も時に影響しながら形作られたのが19世紀フランス絵画の歴史といえるかもしれません。

Ⅶ 20世紀絵画
アメデオ・モディリアーニ《イタリアの女》

 20世紀は一つの様式でとらえられないほど多様な美術の潮流が現れた時代です。ルーヴル美術館のコレクションは19世紀ころまでのものが中心ですが、カルコグラフィー室では現代作家の版画作品を1990年から取り扱っています。版画制作の技術をこれからも残していくために、現代の作家に版画の製作を依頼したのです。本章ではピエール・アレシンスキーやゲオルグ・バゼリッツの版画を紹介します。

Ⅷ ボタニカルアート
ニコラ・ロベール《メーロー・ウルガーリス》

現代のように精密なカメラがない時代において、版画は植物研究にとって重要なメディアでした。1676年にはニコラ・ロベールらの植物の精緻な版画による『王の植物』と題された図鑑が出版されました。版画は一点しかない芸術作品のイメージを伝播させるという役割のほかにも、科学的知識の発展にも貢献していたのです。また、芸術的にも優れていたボタニカルアートは19世紀にはフランスやイギリスで流行しました。